こんにちは、へチャコです。
私は新卒1年目の時に、心の病気で会社を休職したことがあるので、自分の経験が誰かの役に立ったらいいなと思い、休職経験についてまとめました。
本当にキツくなったときに「休職」という切り札を切れるように、
「休職するために何が必要?」「休職ってどんな感じ?」など
休職のイメージを持っておきましょう。
休職という選択肢を持っておく
働いて間もない新卒にとって、「休職」という選択肢があることって、意外と気づかないのではないでしょうか。
仕事が辛くて身も心もボロボロになったとしても、「自分はスキルがないから頑張らなきゃ」と思ってしまったり、今の会社が合わないからといってすぐに退職してしまったりという話を聞きます。
私は大学院まで通ってから就職したので、社会人2・3年目の友達が多く、
その中には休職経験者もいたので、「休職」という選択肢がたまたま頭の隅にありました。
追い詰められると正常に思考が働かなくなってくるので、
前々から「休職」という方法があることを知っておけてよかったなと思っています。
なぜ休職したのか
休職に至るまでの経緯
私が休職したのは新卒1年目が終わる頃の2月でした。
新卒で配属された部署から、かねてより志願していた部署に異動して1ヶ月が経過した頃でした。
(新卒で2部署を経験することは私の会社では割と一般的でした)
初めの部署では先輩からのフォローやマネジメントがしっかりしており、問題なく業務を行えていました。周囲からの評判も良く、評価で満点をもらえるほどの働きっぷりでした。
しかし、異動先の部署ではそういったマネジメントや教育体制がきちんと整っておらず、
新卒で異動したての中、まったく知識や経験のない状態でプロジェクトを任されて放置されました。
先輩からのフォローもないままプロジェクトの数がどんどん膨らんでいき、
どこから手をつけていいか訳がわからなくなってしまいました。
残業時間も一気に増え、深夜残業もありましたが、気にかけてもらうことはありませんでした。
前の部署では業務量や業務状態を上司に頻繁に訊かれていたため、あまりのギャップにショックを受けました。
何度も上司や人事に相談していましたが、そう簡単に事態が好転するわけもなく、
誰に言えば助けてもらえるのか、段々と疑心暗鬼になっていきました。
こんがらがった問題に、どこから手をつければいいのか、誰に頼ればいいのかわからず、
複雑な問題を処理することができなくなり、考えるエネルギーが尽きてしまいました。
食事や睡眠の時間が削られ、体調が悪化し、「このままでは死ぬかもしれない」と思ったため、
早めにこの最悪な状況から逃げ出そうと思い、休職という選択をしました。
休職を決めた理由
体調に異変を感じたから
一番の理由は身体的な不調です。
具体的に言うと、ご飯が食べられなくなってしまいました。
私はこれまで風邪をひいたりお腹が痛かったりしても、食欲がなくなることは滅多にありませんでした。しかし、仕事が忙しくてお昼ご飯をゆっくり食べる時間がなかったり、夜ご飯の時間になっても仕事が終わらないという生活が続き、食事をおろそかにし始めました。
その結果、カ○リーメイトのようなお菓子をお昼に1本食べるだけの生活になり、
そのお菓子しか食べられなくなってしまいました。ちなみに2週間で体重が3キロほど減少しました。
また、常に仕事をしている状態が続くと、副交感神経への切り替えがうまくできず、
夜に布団に入ってもなかなか寝付けないという状態になりました。
睡眠不足のせいで日中も集中力が保てず、だんだんとパフォーマンスが低下していきました。
こうした理由から、一旦仕事から離れてみて、冷静な頭と健康な体を手に入れた方が、長期的に考えて自分のためになると判断しました。
「こんな働き方はおかしい」と主張したかったから
私の属する会社は社員の自主性を重んじており、休職するまでは私も自主的・主体的な動きをしていました。ただ、何も言わなくても私が動いてくれるからといって上司がフォローやマネジメント業務を怠り、放置するのは許せないと思いました。
また、明らかにおかしい組織体制であっても、個人の踏ん張りによってなんとかなっているということは、会社には良くあることだと思います。
誰かが長時間残業したり、時間外に勉強したり、色んな人に質問して回ったり…
そういった影の努力のおかげで、納期が短かったり、スキル不足だったりしても、結果的になんとかなる・なんとかするということが会社にはあります。
でも、だからと言っておかしな組織体制やマネジメントをそのままにするのは、マネージャーの職務怠慢です。
「自主性」「主体性」といった綺麗事で、社員の努力を片付けてしまうような会社を変えたいと思い、無理に頑張ることはせずに、休んでしまおうと決意しました。
実際、私の休職がきっかけとなって、社内にどんどん休職する人が増えたので、これを機に社内文化や組織体制がより良い方向に変わってくれればと思っています。
休職するまでにやったこと
「休職ってどうやったらできるの?」という方に向けて、
私が休職するまでにやったことについてまとめます。
精神的に辛い、追い詰められているという人は、すぐに休職しないにしても、
一度心療内科に行ってみることをオススメします。
心療内科の初診を予約する
心療内科の初診の予約は先々まで埋まっていることが多く、なかなかすぐに取れません。
私が行こうと思った病院では、休日の初診の予約はおよそ3週間先まで埋まっていました。
平日の昼間の時間帯では空きが見られましたが、
仕事に忙殺されているなかで急遽予約をとることは難しいと思いました。
私の場合は、幸いタイミング良くキャンセルが出たらしく、すぐに予約を取ることができました。
崖っぷちになった状態で予約を取ることは難しいため、
本当に辛くなる前に、心療内科の予約サイトを見ておくことをおすすめします。
また、初診で診断書をもらうことが難しい病院もあるようなので、
本当に診断書が必要な深刻な状態になる前に、一度初診を済ませてしまうのも手だと思います。
ネットで予約できるところも多いので、気楽に予約してみましょう。
「休職したいので診断書が欲しい」と医師に伝える
初診で診断書をもらうことが難しい心療内科もあるようなのですが、
私の場合は初診で休職の診断書を発行していただくことができました。
どうしてもすぐに休職したかったほど追い詰められていたので、
初診で診断書がもらえなかったらどうしようと不安でした。
事前に休職経験者の方の体験談をインターネットでチェックしていたのですが、
その中で「休職したいので診断書が欲しい」と明確に伝えるのがポイントという体験談を見つけました。
そのため、診察前のカルテにある「来院理由」に、「○ヶ月前から業務過多になり、食事や睡眠が通常通り取れなくなったため、会社を休職したい。そのための診断書が欲しい」と記入しました。
病院によって対応に多少の違いはあるかもしれませんが、
こちらの態度として明確に意思を伝えるのは重要だと思います。
初診を受ける
カウンセラーによる質問(約30分)
「心療内科ってどんなことするの?」と不安に思われる方も多いと思います。
私も、今回が初めての心療内科で、初めはとても不安でした。
初診は、カウンセラーによる質問(約30分)から始まりました。
個室に案内され、「今はどんな状態か」「今の状態になった理由」「仕事内容や業務状況」「家族構成」などの質問をされました。
私の場合は、カウンセラーの方の聴く姿勢がとても心地よく安心できたので、
緊張感の糸が切れてかなり泣いてしまいました。
泣いてしまって言葉がうまく話せなくても、カウンセラーの方は焦らせることなく待ってただ聞いてくれたので、安心して話すことができました。
カウンセラーにこんなにもじっくり話を聞かれるのは初診だけです。
少し緊張しますが、気楽に話をする感覚で問題ないと思います。
医師の診察(約5分)
カウンセラーの後は、医師の診察です。
医師には既にカウンセラーからのメモが共有済で、「こういった状況だったんですね、大変でしたね」と心配してくださいました。
診察では、「睡眠はどれくらい取れているか」「寝付くまでにどれくらいの時間がかかるか」「食事はちゃんと取れているか」「動悸やだるさはないか」など、身体面の質問をいくつかされました。
私の場合はあまり寝付けなかったので、睡眠導入剤を処方すること、本日から1ヶ月間の休職の診断書を発行することを伝えられ、次回の診察日時を決めて診察は終了しました。
私の場合は睡眠導入剤のみだったのですが、症状が深刻だと、抗うつ薬、抗不安薬を処方されることもあるようです。
血液検査・心電図検査(約10分)
心臓や甲状腺に問題がないか調べるために、最後に血液検査と心電図検査を行いました。
心療内科で採血されると思っていなかったので、戸惑いましたが、
サクサクと検査を済ませ、検査結果は次回診察時に伝えてもらえるとのことで、初診が終了しました。
休職の診断を受けたと会社に伝える
診断書をもらったら、すぐに人事と、所属しているチームの上長、所属している部の部長に連絡しました。心療内科からの帰り道は、「もう働かなくていいんだ…!」と嬉しくて、思わずスキップしてしまったことを覚えています。
診断は平日の午前中に出してもらえたので、その日の午後は関係者に診断書を写真添付して送付し、直近の仕事や最低限の引き継ぎだけ行いました。
特に怒られたり、責められたりすることはなく、「追い込んでしまって申し訳ない」と言われました。
「ホントだよ!」と内心怒りながら、復職した時に気まずくなっては困るので、表面的には申し訳なさそうな態度でいました。
結果的に、関係者が最低限の引き継ぎだけで済むように配慮してくれたおかげで、すぐに休職を開始できました。
休職手続きを行う
医師から診断書が出されたとはいえ、休職に関する説明や合意が必要なので、
翌日、上長と労務同席の上で、休職手続きの時間が設けられました。
休職期間中の給与や復職後の勤務形態などが労務から説明され、
説明事項や休職期間について同意する旨を記入し、休職合意書を提出しました。
休職期間中の給与や復職後の待遇などは、会社によって様々だと思うので、
会社の規定を事前に確認しておきましょう。
また、私の会社の場合は、休職期間中は社用PCやスマホの返却が求められました。
休職期間中に資料整理をしたり、仕事の勉強をしたりすることが不可能だったので、
そういった可能性も事前に考慮しておくと良いでしょう。
休職開始!!
休職手続きが完了したら、晴れて休職開始です。
突然やることがなくなって不安に駆られるかもしれませんが、
今すべきことは「休むこと」と思い、存分に自分を労ってあげましょう。
休職経験したからこそわかることがある
ここまで、新卒1年目で休職した私が、「なぜ休職を選んだのか?」「休職し始めたときはどんなだったか?」といった経験をまとめてきました。
細かく思い出していくと長くなってしまうので、数回に分けて伝えていきます。
ちなみに他に書きたいと思っているテーマは以下です。
- 休職期間中にやったこと
- 休職中のお金の話
- 休職して後悔しなかった?
私の経験を発信することで、今働いている職場に疑問を感じている人や、働くことにつらさを感じている人の選択肢を広げられたらと思います。